ちゃんと理解してる?ダイバージェンスの本当の意味と使い方とは?~RSIその⑥~
どうも!SAKUです!
今回は、RSIの「ダイバージェンス」というものについて深堀りしていこうと思います!
ダイバージェンスはRSIに限らずオシレーター系指標を使っている方ならご存じの方も多いかもしれませんが、本当にその意味や使い方を理解している人は少ないと思います。
今まで何となく知ってた使ってたという方は是非今回の記事を参考にして下さい!
(前回の記事→「 RSIのレンジシフトとは?~RSIその⑤~ 」)
目次
RSIのダイバージェンスとは?
まずはそもそも「ダイバージェンス」とはどういうものなのかについて見ていきましょう!
ダイバージェンスの概要
ダイバージェンスとは、価格とRSIが異なる動きをする現象のことです。
通常であれば、価格が上昇して高値が切り上がればRSIの高値も切り上がっていきますが、価格の高値が切り上がっているのにRSIの高値が切り下がっているという現象をネガティブ(弱気)ダイバージェンスと呼びます。
ベアリッシュ・ダイバージェンスとも呼ばれます。
対して、価格が下落して安値が切り下がっているのにRSIの安値は切り上がっている場合をポジティブ(強気)ダイバージェンスと呼びます。
こちらはブリッシュ・ダイバージェンスとも呼ばれます。
強気・弱気、ブリッシュ・ベアリッシュとか付いてるからこれを買いサインや売りサインと思っている方が多いですが、そうとも限りません。
これについては後述しますが、ひとまずは、価格とRSIの高値・安値の切り下がり・切り上がりが異なる動きをする現象のことをダイバージェンスと呼ぶことと、その高値・安値の切り上がり・切り下がりの組み合わせを覚えておいて下さい。
なお、この強気・弱気のダイバージェンスを含めてレギュラー・ダイバージェンスまたはクラシカル・ダイバージェンスと呼ぶ時もあります。
これらをチャートで見たものが次の画像です。
ダイバージェンスの種類
一般的なダイバージェンスは上述したパターンですが、ダイバージェンスには価格とRSIの位置関係によっていくつか種類(クラス)があります。
それが下の図です。
クラスAは、先程説明した一般的なダイバージェンスです。
・強気→価格の安値は切り下がり、RSIの安値は切り上がり
・弱気→価格の高値は切り上がり、RSIの高値は切り下がり
クラスBは、価格の高値もしくは安値が同じくらいで、RSIの高値や安値が切り上がり・切り下がりしているパターンです。
要するに価格がダブルボトム・ダブルトップ状になっている状態でのダイバージェンスです。
このパターンはエグザジェレイテッド・ダイバージェンス(Exaggerated Divergence)とも呼ばれます。(長いので僕はエクスダイバージェンスと勝手に呼んでます。)
・強気→価格の安値は同水準、RSIの安値は切り上がり
・弱気→価格の高値は同水準、RSIの高値は切り下がり
クラスCは、タイプBとは価格とRSIの関係が逆になったパターンです。
・強気→価格の安値は切り下がり、RSIの安値は同水準
・弱気→価格の高値は切り上がり、RSIの高値は同水準
なお、ダイバージェンスの強さとしてはクラスA>クラスB>クラスCとされていることが多いですが、個人的には状況によるかと考えています。
ダイバージェンスが意味するもの
ダイバージェンスにおける価格とRSIの位置関係は説明した通りですが、次はこのダイバージェンスが何を意味しているものなのかについて見ていきましょう!
ダイバージェンス=トレンド転換ではない!
よくあるダイバージェンスの説明として、「ダイバージェンスはトレンド転換を示す買い・売りサインです!(ドンッ!)」というのがありますが、そうとも限りません。
たしかに、RSIは期間内の上昇を相対的に示したものなので、弱気ダイバージェンスの場合、RSIの高値が切り下がっているということは上昇の圧力が相対的に弱まっていると解釈出来ます。
しかし、上昇の圧力が弱まっている=下降トレンドへの転換ということにはなりません。
高値が切り上がっているということは上昇トレンドは継続しているということです。
つまり、弱気ダイバージェンスは上昇トレンド中に発生するもので、強気ダイバージェンスは下降トレンド中に発生するということです。
普通に考えたら上昇トレンド中にはロングするべきで、ショートするのは完全に逆張りです。
次のチャート画像を見てもらえば分かりますが、ダイバージェンスが発生してもその後に上昇トレンドが継続してどんどん価格が上昇していくこともよくあります。
たしかにダイバージェンスの発生後にそのままトレンド転換となる場合もありますが、一時的な調整に入る場面でもダイバージェンスは発生し得るということです。
あくまでダイバージェンスが示しているのは、「相対的にはトレンド方向への圧力ないし推進力が弱まってきている」ということです。
ダイバージェンスの成り立ち
続いて、ダイバージェンスはどのようにして発生するのかその成り立ちを紐解いていきましょう。
これが分かれば「ダイバージェンス≠トレンド転換」ということがより理解できると思います。
以下、上昇トレンドの場合で説明します。
① まず、RSIがN期間における上昇を相対的に示したものであるという性質上、参照するN期間内の価格の変動が少ない状態から
② 一気に価格が上昇したりするとRSIも一気に上昇します。
③ また、それまで陽線が連続して上昇が続いている状態で陰線が出たりすると価格の変動がそれほど大きくなくてもRSIは急な下降をしたりします。
トレンド方向に対する一時的な調整でRSIが下がった場合なんかがそうですね。
④ そして調整下落後に再びトレンド方向に価格は上昇して前回の高値を超えていくわけですが、①に対する②の上昇よりも、③に対する今回の上昇の方が変動率が少なかった場合は
⑤ RSIは②の上昇で付けた値よりも④では低い値となります。(RSIの高値の切り下げ)
もちろんこれはN期間内に含まれる値動きによるので、必ずしもこの通りとはなりませんが、弱気ダイバージェンスが発生するメカニズムはだいたいこんな感じです。
これをチャートで概説したものが下図です。
要するに、ダイバージェンスはRSIの性質上、値動きによっては当然に発生しうる現象なので、それをトレンド転換へのサインとイコールで結びつけるのはいささか短絡的であるということです。
ダイバージェンスの使い方
「ダイバージェンス≠トレンド転換する」ということは分かっていただけたと思いますが、では、ダイバージェンスはどのように使うことが出来るのでしょうか?
利食いの目安にする
ダイバージェンスの発生が、それまでの値動きの方向への力が弱まってきていることを示唆するとすれば、これを利食いの目安とすることが出来ます。
「まだ伸びると思っていたけどダイバージェンスが発生してるしトレンド方向への力が弱まってるかも?利食いしておくか」といった感じですね。
レジスタンス・サポートの目安にする
ダイバージェンスが発生した価格水準はレジスタンス・サポート帯として意識されることも多いです。
下のチャート画像では、赤丸がしてある部分から水平線を引いています。
ダイバージェンスの右肩部分は推進力ないし圧力の弱まりを示唆しているので、そこにある意識の痕跡が今後も水準として意識されているわけですね。
ということで、今回は「ダイバージェンス」について深堀りしていきました!
自分で言うのもなんですが、ここまでダイバージェンスについて詳しく説明している記事はほとんど見たことありません!
ただ、このブログでは今までも何回も言っていますが、テクニカル分析は形だけ覚えても使えるようにはならないので、インディケーターについても計算式やその性質から本質的な部分を理解するようにして下さいね!
ちなみに先日スタートした無料ステップメール式講座では、購読者限定特典として「様々なインディケーターや手法・理論について」の音声を付けていているのですが、そちらでもRSIについて触れているので是非チェックしてみて下さいね!
今回の記事の内容はRSIの計算方法や性質を本質的に理解していないと意味分からなかったり曲解してしまうかもしれないので、RSIについての過去記事を読んで自分なりにしっかりと考えて下さいね!
面倒くさくなって公務員を辞め、四苦八苦の末に専業トレーダーに転身!
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